夏の空を仰ぐ花
プロローグ
運命のひとは、生まれたときにはもう決まっているんだって。
それで、それは、ふたりの目が合った瞬間に分かっちゃうんだって。
例えばそれが、どんなに人ごみの中だったとしても。
あたし、分かったの。
あ、運命だ、って。
あたしね、恋をしたよ。
死にものぐるいの、恋をした。
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