夏の空を仰ぐ花
この先、何が待ち受けていようとも、一緒に居られる保証はどこにある?

永遠という二文字は、あたしたちにある?


補欠、教えて。


あたしたち、この先もずっと、ずっと一緒に過ごしていける?


「……どうした?」


不意に、補欠が口を開いた。


食い入るように視線を送るあたしを不思議そうに見つめて、補欠が首を傾げた。


「なんだよ。そんなジロジロ見んなって」


へんなやつ、そう言って、補欠はあたしのほっぺをつまんだ。


外気に触れて冷たくなった頬に、補欠の指先からぬくもりが伝わってくる。


ドキドキした。


「今、翠が思ってること、当ててやろうか」


意味深にフと笑って、補欠の手が離れる。


たまに、補欠のことが怖くなる時がある。


恐怖とかそういう類いの怖さではないのだけれど。


「どうせ、健吾とあっこに影響されて、不安になったんだろ」


「な……」


「分かりやすいやつ」


あたしが思っていることを、補欠はズバリ言い当てることがあるからだ。


その確率は比較的低くて、外れの方が多いけど。


でも、その分、言い当てた時は、的のど真ん中を一気に射抜く。


< 257 / 653 >

この作品をシェア

pagetop