夏の空を仰ぐ花
エッヘン、と腰に両手を当ててふんぞり返ると、補欠がすっと立ち上がってフフと笑った。
ドキッ!
出た、補欠スマイル。
「いや、違うくて」
補欠があたしを見て笑った。
「は?」
「もちろん、茜ちゃんも蒼太くんも可愛いけど」
「けど?」
なんだ?
「翠が」
「あたし?」
こくりと頷いて、補欠は照れくさそうに笑った。
「うん。かわい」
い……いかん。
クラクラする。
「名前も翠で、着物も緑。その着物、似合う」
かわいい、補欠は呟いて、そっけなく目を反らした。
今朝の頭痛なんて、味噌っカスだ。
補欠の貴重な笑顔で遠くの遠くにぶっ飛んだ。
「じゃ、行くか」
補欠は蒼太をひょいと抱えて、軽々と肩車した。
「うおーう!」
初めて肩車を経験した蒼太が、目をまんまるにして輝かせる。
「おおーう! しゅっげー!」
興奮度、200パーセント。
「あーん、ずるうーい、そうちゃんばっかりい! あかねもー」
茜がむっつり顔になって、補欠のジーンズを掴んで引っ張った。
「あ……困ったなあ」
補欠は苦笑いして、
「茜ちゃんは着物だから、今度な。代わりに、手繋ぐか」
と茜の小さな手を握った。
「ほんとー? 約束ね!」
「おし。約束した」
3人のやりとりを見つめながら、あたしは胸がいっぱいになった。
ドキッ!
出た、補欠スマイル。
「いや、違うくて」
補欠があたしを見て笑った。
「は?」
「もちろん、茜ちゃんも蒼太くんも可愛いけど」
「けど?」
なんだ?
「翠が」
「あたし?」
こくりと頷いて、補欠は照れくさそうに笑った。
「うん。かわい」
い……いかん。
クラクラする。
「名前も翠で、着物も緑。その着物、似合う」
かわいい、補欠は呟いて、そっけなく目を反らした。
今朝の頭痛なんて、味噌っカスだ。
補欠の貴重な笑顔で遠くの遠くにぶっ飛んだ。
「じゃ、行くか」
補欠は蒼太をひょいと抱えて、軽々と肩車した。
「うおーう!」
初めて肩車を経験した蒼太が、目をまんまるにして輝かせる。
「おおーう! しゅっげー!」
興奮度、200パーセント。
「あーん、ずるうーい、そうちゃんばっかりい! あかねもー」
茜がむっつり顔になって、補欠のジーンズを掴んで引っ張った。
「あ……困ったなあ」
補欠は苦笑いして、
「茜ちゃんは着物だから、今度な。代わりに、手繋ぐか」
と茜の小さな手を握った。
「ほんとー? 約束ね!」
「おし。約束した」
3人のやりとりを見つめながら、あたしは胸がいっぱいになった。