夏の空を仰ぐ花
ふたりは、陽気な夫婦だった。
「響也、あんたすごい子つかまえたわね! お母さん、この子好きだわ!」
「いやあ、たまげた、たまげた。こりゃいいぞ」
ささ、翠ちゃん上がって、とたかしがあたしの手を引く。
補欠と同じ、左利きで優しい手だった。
ふたりと仲良くなったのは、言うまでもない。
そして、後々、あたしのピンチを救ってくれたのは貴司と洋子夫婦だった。
「わあーっ、ようこのおもち、とってもおいしいわあ」
ハムスターがひまわりの種を詰め込むように、
「ほっぺたがおちますわあ」
茜が餅を頬張りながら言った。
「おいちいー」
蒼太が茜の真似をする。
お昼は補欠の家で、お雑煮とおせちをご馳走になった。
ハラペコ王国のおチビ姫と王子が、夢中になって洋子お手製の料理を頬張る。
「ようこのごはんはおいしいものばかりね! あかね、ようこのごはんすきー」
「そうたもー!」
「んまあーっ! かわいいーっ!」
洋子が目を半分にして、ふたりを見つめる。
「なんて可愛いのかしら」
孫ができたみたい、なんて洋子がふんわり微笑む。
でも、ソファーにゴロリと横になって、
「お、おお! このスパイクかっこいい」
元旦早々ベースボールマガジンを見つめる補欠を見て、
「響也にもこんな可愛い時期があったのよね」
はあー、とため息を落とした。
「今じゃ可愛くもなんともないけどね」
「響也、あんたすごい子つかまえたわね! お母さん、この子好きだわ!」
「いやあ、たまげた、たまげた。こりゃいいぞ」
ささ、翠ちゃん上がって、とたかしがあたしの手を引く。
補欠と同じ、左利きで優しい手だった。
ふたりと仲良くなったのは、言うまでもない。
そして、後々、あたしのピンチを救ってくれたのは貴司と洋子夫婦だった。
「わあーっ、ようこのおもち、とってもおいしいわあ」
ハムスターがひまわりの種を詰め込むように、
「ほっぺたがおちますわあ」
茜が餅を頬張りながら言った。
「おいちいー」
蒼太が茜の真似をする。
お昼は補欠の家で、お雑煮とおせちをご馳走になった。
ハラペコ王国のおチビ姫と王子が、夢中になって洋子お手製の料理を頬張る。
「ようこのごはんはおいしいものばかりね! あかね、ようこのごはんすきー」
「そうたもー!」
「んまあーっ! かわいいーっ!」
洋子が目を半分にして、ふたりを見つめる。
「なんて可愛いのかしら」
孫ができたみたい、なんて洋子がふんわり微笑む。
でも、ソファーにゴロリと横になって、
「お、おお! このスパイクかっこいい」
元旦早々ベースボールマガジンを見つめる補欠を見て、
「響也にもこんな可愛い時期があったのよね」
はあー、とため息を落とした。
「今じゃ可愛くもなんともないけどね」