夏の空を仰ぐ花
戦友の証
「ほっほーい! 雪ー!」
その日は午後になったとたんに一気に降って来て、まるで永遠に春が来なくなるんじゃないかと、心配になるほとだった。
2月。
粉砂糖よりも粉っぽくて、さらさらの結晶。
あたしはそこにしゃがみこんで、手のひらにさらりと積もった雪にフウーと息を吹きかけた。
ぶわっと舞い上がり、はらはら空を切る粉雪。
「なんでですか? おれじゃダメなんすか!」
その必死な声に、あたしは思わず唾を飲んだ。
「ごめんね」
参った。
これは、困ったことになった。
校舎の裏庭の焼却炉。
ゴウゴウと火が唸り、パチパチ火花が弾ける。
煙突から黒煙が、真っ白な雪空に上っていく。
降り止まない、粉雪。
2月の凍てつく氷点下が、ブレザー姿のあたしの体温を容赦なく奪っていく。
一体、どれくらいこうしているんだろう。
手の先が悴んで、感覚が麻痺してくる。
帰りの掃除でジャンケンに負けてしまったあたしは、ゴミ捨てをする羽目になったわけだが。
それで、はるばる焼却炉まで足を運んだわけだが。
焼却炉にゴミを放り込んで、さあ戻ろうとしたその矢先に、事が始まってしまったわけだ。
その日は午後になったとたんに一気に降って来て、まるで永遠に春が来なくなるんじゃないかと、心配になるほとだった。
2月。
粉砂糖よりも粉っぽくて、さらさらの結晶。
あたしはそこにしゃがみこんで、手のひらにさらりと積もった雪にフウーと息を吹きかけた。
ぶわっと舞い上がり、はらはら空を切る粉雪。
「なんでですか? おれじゃダメなんすか!」
その必死な声に、あたしは思わず唾を飲んだ。
「ごめんね」
参った。
これは、困ったことになった。
校舎の裏庭の焼却炉。
ゴウゴウと火が唸り、パチパチ火花が弾ける。
煙突から黒煙が、真っ白な雪空に上っていく。
降り止まない、粉雪。
2月の凍てつく氷点下が、ブレザー姿のあたしの体温を容赦なく奪っていく。
一体、どれくらいこうしているんだろう。
手の先が悴んで、感覚が麻痺してくる。
帰りの掃除でジャンケンに負けてしまったあたしは、ゴミ捨てをする羽目になったわけだが。
それで、はるばる焼却炉まで足を運んだわけだが。
焼却炉にゴミを放り込んで、さあ戻ろうとしたその矢先に、事が始まってしまったわけだ。