夏の空を仰ぐ花
「うっせえなあ。で、これ、何?」
グラスを指さすと、補欠が得意げに口角を上げた。
「サイダー」
「おお! ビバ、炭酸!」
ぐいっとグラスをぶん取ると、補欠はエッヘンとばかりに鼻で笑った。
「翠がいつ来てもいいように、炭酸ジュース常備してんだよ。洋子、が」
さすが、洋子だ。
「ありがたやあー! 洋子、感謝!」
グーッと一気に飲んで、ゲフーとゲップをかます。
「うまー! 水分と言ったらやっぱし炭酸に限るよなー」
「……あ、そうかい」
補欠が引きつりながら笑った。
「久しぶりにゲップ聞いた……相変わらずだな」
「もひとつおまけだ、バカヤロー……ゲエー」
甘い炭酸が鼻の奥を突き抜ける。
「色気ねえなあ……お?」
胡坐をかく補欠の太ももに頭を乗せて、仰向けに寝転んだ。
「こんなところに枕が! ちょうどいいのう」
あたしが笑うと、補欠もつられたように目を半分まで細めて小さく笑った。
あたしは、この笑顔が何よりも大好きなのだ。
貴重な笑顔。
ドキドキする。
心のちょうど真ん中あたりが、ふんわりと温かくなる。
サイダーをグビと飲んで、補欠があたしの前髪を掻き上げた。
「何それ、誘ってんの?」
「えっ?」
「こう見えても、一応男なんだけど。分かってそんな事してんの?」
熱を孕んだ視線にギクリとして飛び起きると、
「なっ、変な事考えてんじゃねえよ! 補欠が!」
「なんだ、案外、意気地なしなんだな」
補欠はグラスをテーブルに置いて、あたしに覆いかぶさって来た。
「え! バカッ!」
ボフッ、と音を立てて、あたしはなだれ込むようにソファーに倒れ込んだ。
「いっ、いかん!」
この体勢は、いかん。
「早まるな、補欠!」
グラスを指さすと、補欠が得意げに口角を上げた。
「サイダー」
「おお! ビバ、炭酸!」
ぐいっとグラスをぶん取ると、補欠はエッヘンとばかりに鼻で笑った。
「翠がいつ来てもいいように、炭酸ジュース常備してんだよ。洋子、が」
さすが、洋子だ。
「ありがたやあー! 洋子、感謝!」
グーッと一気に飲んで、ゲフーとゲップをかます。
「うまー! 水分と言ったらやっぱし炭酸に限るよなー」
「……あ、そうかい」
補欠が引きつりながら笑った。
「久しぶりにゲップ聞いた……相変わらずだな」
「もひとつおまけだ、バカヤロー……ゲエー」
甘い炭酸が鼻の奥を突き抜ける。
「色気ねえなあ……お?」
胡坐をかく補欠の太ももに頭を乗せて、仰向けに寝転んだ。
「こんなところに枕が! ちょうどいいのう」
あたしが笑うと、補欠もつられたように目を半分まで細めて小さく笑った。
あたしは、この笑顔が何よりも大好きなのだ。
貴重な笑顔。
ドキドキする。
心のちょうど真ん中あたりが、ふんわりと温かくなる。
サイダーをグビと飲んで、補欠があたしの前髪を掻き上げた。
「何それ、誘ってんの?」
「えっ?」
「こう見えても、一応男なんだけど。分かってそんな事してんの?」
熱を孕んだ視線にギクリとして飛び起きると、
「なっ、変な事考えてんじゃねえよ! 補欠が!」
「なんだ、案外、意気地なしなんだな」
補欠はグラスをテーブルに置いて、あたしに覆いかぶさって来た。
「え! バカッ!」
ボフッ、と音を立てて、あたしはなだれ込むようにソファーに倒れ込んだ。
「いっ、いかん!」
この体勢は、いかん。
「早まるな、補欠!」