完結【イケメン双子・容姿端麗な幼なじみ】愛~eternity~










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「…陸斗君…まだ帰ってなかったのね。」




「あっ…亜希子さん…」




瑛奈の病室の窓から、広場のベンチに座っている陸斗の姿に、気がついた亜希子は声を掛けにきた。






「…血…出てるわね。」




「ッ…すいません。」




亮二に殴られた時の傷を、亜希子は優しく手当てしてあげた。






「…瑛奈の事だから、きっと陸斗君に無理にお願いしたんでしょ?」




「いえ…俺が悪いんです。

…連れ出すべきじゃなかったのに

…ッこんな事になって…すいません。」




「ううん。同じ女として瑛奈の気持ちは分かるもの。

…でもね、あの人や私の気持ちも分かってほしいの。

手を上げてしまったあの人は悪いけど…

本当に心配でずっと探し回ってたから。」




「…はいッすいません。」




瑛奈を心配に思う心と、亜希子と亮二に対して申し訳ない気持ち…




どんな状況だっとしても、連れ出すべきじゃなかったと、自分を責める気持ち…




帰れと言われたが、それでも瑛奈の傍を離れられずにいた陸斗は、ただ瑛奈の無事を願ってベンチで待つ事しか出来なかった。


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