夜空に溶けた想い
十年前
side 彼方
―――一度は、告白しようとしたんだ。
近所に住んでる幼馴染の椿。
その椿の8歳の誕生日。
俺は、椿にストラップをあげようとした。
「ださっ。」
チリン
彼女の手の中で揺れた俺があげたストラップ。
『ださっ。』と言われたことは相当ショックだったけど、気にしてないように、
「…じゃ…じゃあ返せよ…」
と言って彼女に、手を出した。
すると彼女は何も言わずに俺にストラップを返した。
そのまま、家に帰ってしまった。