片耳のピアス-eternal love-
夢斗…。
あなたが考えてること、分かんないよ。
突然私の前に現れたと思ったら、彼女いるから傍にいれないなんて…。
私、ずっと待ってたんだよ?
いつかあなたが迎えにきてくれるんだって…。
なのに…
そんな裏切り方、無いでしょ?
あなたがこの街から出ていったあの日から、私はたくさん辛いことも経験した。
でも、いつの日かあなたが来てくれる日を待って今まで生きてきた。
お父さんお母さんが亡くなったこと、
あなたは知るわけもないよね。
いてほしい時にいてくれなかった。
なのに……。
さすがに電話をかけなおす勇気もなくて、
私はケータイを閉じた。
今は何も考えたくない。
きっと、また思い出しちゃう。
今はまだ、大丈夫なんだ。
忘れよう。
過去の私は、捨てるんだ…。
そのままベッドにボーっとしていた時、ふと青田先輩の顔が浮かんだ。
さっき、言うこととか冷たかったけど、確かに目は、優しかったんだ。
もう一度、逢いたい。
どんな冷たい言葉をかけられてもいい。
今は1人じゃなくて、誰かの近くにいたい。
気づくと、私の体は動いていて、
さっき行った公園に向かっていた。
家を飛び出し、
ただ無我夢中に走っていた…。