片耳のピアス-eternal love-
家に帰りお母さんにピアスを開けたいとお願いしてももちろんすぐには聞いてくれない。
『何言ってるの!?
貴方まだ小学生なのよ!?』
分かっていた。
でもその時の私は夢斗との約束を守りたかった。
『お願い!!
ママ、これだけは絶対に守らなきゃいけないの!!』
どれだけ言っても頷いてはくれなかった。
その時、お兄ちゃんが来て、
『母さん。
何だかわかんないけど、瞳がここまで頼むの珍しいじゃん。
今回は言うこと聞いてあげよ?』
お兄ちゃんにそう言われ言葉が詰まるママ。
ほら。
またそうやってお兄ちゃんの言うことばっかり聞くんだ。
昔から私より成績のいいお兄ちゃん。
それに比べ私は何の取り柄もなく、いつも怒られていた事は今でもしっかり覚えている。
でも、そんなことどうでも良かった。
とりあえずピアスを開けたい一心だった・・・。
『分かったわ。
お兄ちゃんが言うなら開けなさい。
ただし、何かあったらすぐ塞ぐのよ!』
良かった・・・!
これでやっと夢斗君との約束を守れる!!
すぐさま部屋に戻り、
用意していたピヤッサーを取り出した。
十分に氷水で冷やし感覚を無くして、
何の躊躇もなく、私は・・・・・・
パチンッ・・・・・・
感覚なんてこれっぽっちもなく、私の左耳に穴が開いていた。
開いた。
そのまま夢斗からもらったピアスを私は付けた。