原石のシンデレラ
「ーーどうぞ」

スッ…と、目の前に置かれた香りの良い紅茶の湯気が、ふわふわと上がっていく。


カタカタと震える手で、ティーカップを持ち、何とか口の中へと紅茶を流し込む。


「あつッッ……」


猫舌なのに、冷まさずに無理やり飲み込んだ為、軽い火傷をしてしまった。

舌が燃えるように熱い。次にピリピリと電気が走るような痛みがきた。


< 105 / 197 >

この作品をシェア

pagetop