原石のシンデレラ
冬真は私が小学生の頃、よく遊んでくれた。中学生になると勉強も教えてもらった。……そして私の初恋の相手でもある、でも…本人は多分このことは知らないと思う。
――だって私が告白する前に、何も言わずに東京の大学へと行ってしまったから。
―――――
―――
『――冬真お兄ちゃん。苦手な数学のテストで、80点取ったんだよ』
満面の笑みでテストのプリントを見せると、冬真お兄ちゃんは微笑んで、私の頭を撫ででくれた。
『――雪詩、やれば出来るじゃないか』
『――冬真お兄ちゃんが、勉強教えてくれたおかげだよ』
『――ははは。それは俺のおかげじゃなくて、雪詩の努力の結果だよ』
いつも優しかった、お兄ちゃん……。
いつも笑顔で私だけを見てくれたお兄ちゃん。
『―――ただいま。冬真お兄ちゃん、お勉強教えて』
出てきたのは、お兄ちゃんじゃなくて叔母さんだった。
『お兄ちゃんは、出かけてるの??』
『雪詩ちゃん、ごめんね。冬真はね…今日、東京へ行ったの…』
『叔母さん、私…聞いてないよ??』
『……雪詩ちゃんには内緒にしててくれって言われてて………ごめんね』
『――ごめんね………。』
お兄ちゃんの馬鹿……。
冬真が居なくなった日、私は目一杯泣いた、泣きまくったんだよ……。
――だって私が告白する前に、何も言わずに東京の大学へと行ってしまったから。
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『――冬真お兄ちゃん。苦手な数学のテストで、80点取ったんだよ』
満面の笑みでテストのプリントを見せると、冬真お兄ちゃんは微笑んで、私の頭を撫ででくれた。
『――雪詩、やれば出来るじゃないか』
『――冬真お兄ちゃんが、勉強教えてくれたおかげだよ』
『――ははは。それは俺のおかげじゃなくて、雪詩の努力の結果だよ』
いつも優しかった、お兄ちゃん……。
いつも笑顔で私だけを見てくれたお兄ちゃん。
『―――ただいま。冬真お兄ちゃん、お勉強教えて』
出てきたのは、お兄ちゃんじゃなくて叔母さんだった。
『お兄ちゃんは、出かけてるの??』
『雪詩ちゃん、ごめんね。冬真はね…今日、東京へ行ったの…』
『叔母さん、私…聞いてないよ??』
『……雪詩ちゃんには内緒にしててくれって言われてて………ごめんね』
『――ごめんね………。』
お兄ちゃんの馬鹿……。
冬真が居なくなった日、私は目一杯泣いた、泣きまくったんだよ……。