原石のシンデレラ
「――もし、俺が東京へ行くと伝えてたら、絶対に泣くだろう??」


瞳いっぱいに涙を溜めて冬真を見上げると、悲しそうな表情で私の頭を優しく撫ででくれた。


「――雪詩の泣く姿見たら……俺、絶対に東京に行けそうになかったから。……後、帰ってきたことは言わない方が良いと思ったから。……あんなことがあって、嫌われたと思ってたし」


「……1度も嫌いになったことなんてないよ。私、冬真お兄ちゃんのこと好きだったのに――」


「雪詩……」
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