原石のシンデレラ
ーーーーー
車に乗った私は、思わずゴクリと生唾を呑み込んだ。
広い車内に、椅子はフカフカなソファに座ってるような気持ち良さ。
ーー目の前には黒光りしたシックなテーブルに、その隣には小さめの冷蔵庫があって、じぃやと呼ばれている白髪の男性が、冷蔵庫から冷たい飲み物をお洒落なワイングラスに注いでいく。
「…どうぞ、雪詩様。お飲み下さい」
スッ…と、私の前の方へグラスを移動させた。
ーーー様だなんて、今まで言われたことのない呼び方。
「…炉惟坊ちゃまも、どうぞ、」
「ありがとう、じぃや」
ニコリと微笑み、炉惟はコクリと喉を鳴らし、美味しそうに飲み物を口にする。
「ーー雪詩さん、遠慮しなくて良いですよ」
チラリと視線を向けると、一口も飲み物を口にしてない私にニコリと笑みを浮かべる。
「い…頂きます」
炉惟さんも、そう言ってくれてるし…飲まないと逆に失礼なのかな…と思った私。
グラスを口に付けて、静かに飲み物を口にした。
「…どうです?お口に合いますか」
「…は、はい!…とても、おいしゅう御座います!!」
気が動転して自分自身、何を言ってるのかさえ分からなくなりそうになった。
緊張し過ぎて心拍数が上がり、アルコールが入っている訳でも無いのに、頭がクラクラしてくる。
「ぷっ……クスクス」
炉惟が口元を手で押さえて、必死に笑いを堪えようとしている。
「あ、あの…」
オロオロとしていると炉惟が、私の肩に手を置いて、瞳に涙を浮かべて思いっきり笑い出していた。
「あー…失礼しました。こんなに心の底から笑ったのは初めてですよ」
「え…」
私が眉毛を八の字にして、炉惟を見つめていると、じぃやが口を開いた。
「ーー坊ちゃまが、こんなに楽しそうに笑うのを見たのは、じぃやも初めてで御座います。余程、楽しいんでしょうね」
さっきまで無表情だったじぃやは、嬉しそうにニコリと微笑んだ。
「益々、気に入りましたよ。雪詩さん」
ーー何を気に入ったのか、サッパリ分からない。
車に乗った私は、思わずゴクリと生唾を呑み込んだ。
広い車内に、椅子はフカフカなソファに座ってるような気持ち良さ。
ーー目の前には黒光りしたシックなテーブルに、その隣には小さめの冷蔵庫があって、じぃやと呼ばれている白髪の男性が、冷蔵庫から冷たい飲み物をお洒落なワイングラスに注いでいく。
「…どうぞ、雪詩様。お飲み下さい」
スッ…と、私の前の方へグラスを移動させた。
ーーー様だなんて、今まで言われたことのない呼び方。
「…炉惟坊ちゃまも、どうぞ、」
「ありがとう、じぃや」
ニコリと微笑み、炉惟はコクリと喉を鳴らし、美味しそうに飲み物を口にする。
「ーー雪詩さん、遠慮しなくて良いですよ」
チラリと視線を向けると、一口も飲み物を口にしてない私にニコリと笑みを浮かべる。
「い…頂きます」
炉惟さんも、そう言ってくれてるし…飲まないと逆に失礼なのかな…と思った私。
グラスを口に付けて、静かに飲み物を口にした。
「…どうです?お口に合いますか」
「…は、はい!…とても、おいしゅう御座います!!」
気が動転して自分自身、何を言ってるのかさえ分からなくなりそうになった。
緊張し過ぎて心拍数が上がり、アルコールが入っている訳でも無いのに、頭がクラクラしてくる。
「ぷっ……クスクス」
炉惟が口元を手で押さえて、必死に笑いを堪えようとしている。
「あ、あの…」
オロオロとしていると炉惟が、私の肩に手を置いて、瞳に涙を浮かべて思いっきり笑い出していた。
「あー…失礼しました。こんなに心の底から笑ったのは初めてですよ」
「え…」
私が眉毛を八の字にして、炉惟を見つめていると、じぃやが口を開いた。
「ーー坊ちゃまが、こんなに楽しそうに笑うのを見たのは、じぃやも初めてで御座います。余程、楽しいんでしょうね」
さっきまで無表情だったじぃやは、嬉しそうにニコリと微笑んだ。
「益々、気に入りましたよ。雪詩さん」
ーー何を気に入ったのか、サッパリ分からない。