原石のシンデレラ
恐る恐る、目の前で開け放たれた大きな扉から一歩進む。

恥ずかしながら脚が震えて、うまく歩けない。耳まで真っ赤になる私に気付いた炉惟は、肩に触れると優しくエスコートしてくれる。


「大丈夫ですよ…雪詩さん。僕が支えてあげますから」

耳元で囁く甘い声は、私の体中の熱を上昇させるだけじゃなく、心までも支配する。

ー胸がキュン…と、ときめく。


「ーーは、はい…」
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