原石のシンデレラ
―――重苦しい空気の中、いつの間にか朝食は終わっていた。
「炉惟っ……」
リビングから廊下に出ようとすると、後ろから声をかけられたので、炉惟は無言で振り向くと、今にも泣き出しそうなエリーゼの姿が見えた。
「エリーゼ…」
「炉惟……ニューヨークに行ってしまうの?」
エリーゼの細い指が、炉惟の指に絡みつく。
「―――多分、そうなるかも知れない。」
ソッ…と絡みついた指を、スルリと離して俯いて答えた。
――この答えに嘘は無かった……。
ただニューヨークに行く前に、どうしても伝えておきたい人がいた。
―――――
―――
「炉惟っ……」
リビングから廊下に出ようとすると、後ろから声をかけられたので、炉惟は無言で振り向くと、今にも泣き出しそうなエリーゼの姿が見えた。
「エリーゼ…」
「炉惟……ニューヨークに行ってしまうの?」
エリーゼの細い指が、炉惟の指に絡みつく。
「―――多分、そうなるかも知れない。」
ソッ…と絡みついた指を、スルリと離して俯いて答えた。
――この答えに嘘は無かった……。
ただニューヨークに行く前に、どうしても伝えておきたい人がいた。
―――――
―――