原石のシンデレラ
「…じぃや、ありがとう。」


「――ですから、私から最初で最後の我が儘を言わせて下さいませんか。」


「……?何だい。」


「………今から雪詩様にお会いになって下さい。――そして炉惟坊ちゃまから自分の口で、ニューヨークに行くことをお伝えして下さい。」


突然じぃやの口から出た言葉に、炉惟は内心ドキリとした。―――まるで自分の心を見透かされた……そんな気持ちになった。
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