原石のシンデレラ
「――雪詩の所に連れて行く気なんでしょう!?……そんなの許さないわっ。」



……流石、女性の勘は鋭い。――炉惟は車の中で、感心していた。



「――じぃやっ!!行くのを取り止めなさいっ。これは私からの命令よっ。」


「お嬢様、それは無理で御座います…」


「何故っ!?」


「……何故なら私は炉惟坊ちゃまのじぃやであり、エリーゼお嬢様のじぃやではないからですよ。」


「――……ッッ!!。」


顔を真っ赤にしてエリーゼは言葉を詰まらせると、俯き黙り込んだ。



「――…では、失礼します。」




炉惟達を乗せた車はエリーゼを残して、ゆっくりと進んで行った――。


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