原石のシンデレラ
「坊ちゃま…では、いきましょうか」


静かに開けられたドアの外から、じぃやが優しく微笑みかけたのを見て、炉惟は意をけして頷くと、車内から脚を出すとコツンと靴底が音を奏でる。


外に出ると涼しい風がサラリと頬を撫でるように吹いていて、とても心地良くて思わず胸を張って、大きく深呼吸をした。


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