原石のシンデレラ
炉惟は雪詩の身体を優しく抱きしめると、耳元で囁いた。


「...君に伝えなければいけないことがあって、此処に参りました。」


「え...?」



「―――――実は......」





【ガチャ――。】「…雪詩まだ帰って...」



雪詩の住んでいるアパートのドアが開き、中から冬真が現れた。



炉惟と雪詩は抱きしめ合った状態のまま、冬真を見つめた。



――――沈黙の中、微妙な空気が通り過ぎる。
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