原石のシンデレラ
余りの凄さに圧倒されて、炉惟が居なくなっていたのに気付かなかった。


(炉惟さん、何処に行ったんだろう…)


辺りを見渡したが、炉惟の姿は見えなかった。


ドレスを着た女性や、スーツを着た男性方が、それぞれ談笑して楽しそうに見えた。


段々、1人で居るのが心細くなってきた時。。スッ…と、横からワイングラスが差し出されて、私は振り向く。


「ーーお待たせ。僕達は、まだ未成年だし、お酒は無理だから、ジュースを貰ってきましたよ」


「あ、ありがとうございます」

(…何だ、ジュース貰いに行ってただけなんだ…。)

私は、炉惟からジュースを受け取ると、ホッと胸をなで下ろした。


「では、乾杯しましょう」


「は、はい…」


《カンパイ…》


お互いに持ってるワイングラスを、カツンと鳴らした。


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