原石のシンデレラ
ホールに向かうと、じぃやが玄関の傍で立ち止まっていた。ーーまるで、私を待っていたかのように。


「じぃや……」


雪詩の声に気づくと、「雪詩様、お帰りですか?、じぃやが送ります…」


ペコリと会釈をするじぃやに、雪詩はコクンと頷いた。


「ーーでは…コチラに…」

じぃやが大きな扉を開くと、外は既に真っ暗で、暗闇が空を包んでいる。


雪詩は、その真っ暗な外へと足を進めた。
心地良い風が、私の身体を通り抜けていく。


ーーもう、会うことはないよね。


1度、振り向き、大きな屋敷を見上げた。




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