原石のシンデレラ
離れていく距離
――――――


「――――雪詩さん!!……」


…車に乗り込む前に、炉惟の声が聞こえたような気がして振り向いたが、辺りは静まり返っていて、少し冷たい風がそよそよと私の頬を撫でるだけだった。



――気のせいか。


ホッとしたような、ちょっと寂しいような気持ちが、私の心に残った。


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