原石のシンデレラ
「さ…雪詩様、どうぞ」
じぃやが、車のドアを開けられて、雪詩は頷くと、車の中へ入ろうとした……。



「ーーゆ、雪詩ちゃぁぁぁん!!…」


間抜けな声が、聞こえてきたと思い、とりあえず振り向くと、必死で走る広戸の姿が見えた……。


「………。」

「………。」

雪詩と炉惟は、無言で顔を見合わせる。

「ーーハァハァ……僕、、まだ雪詩ちゃんから返事もらってない。それに貴方は片思いでしょう…?それなら僕にも、まだ希望がある」


炉惟の方を見つめて、敵意丸出しに睨みつけると、今度は…鼻をフンっと鳴らして、ニンマリと笑みを浮かべた。


そして、最後に雪詩の腕を引っ張って、無理やりキスをしてきた。


「――――ッッ!?」


広戸は満足げに、唇をしたでなぞると、そのまま立ち去っていった――。


キス……された。。?


ぺたん…と地面に座り込むと、炉惟さんが後ろから優しく抱きしめてくれた。。



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