あんたは俺の嫁!

全然掴めない

「有名になってるよ? あんたがあの折原響と正門で…」

「やーめーてー! あたしは仕方なく、仕方なくなんだからぁ!」



友紀にそう何回も話されて、質問攻めにされてくたくたになっているとき。
朝のショートが始まる直前だった。
座っていた椅子が急にくるんと回転して、視界に響が映る。



「へぇ、仕方なくだったんだ? あんなに自分からねだってきたくせに」

「げ。……ちょ、ちょっと何その髪型! 全然違うじゃん!」



ヘアピンでその場凌ぎでやった髪型とは違い、ちゃんと整えてある響の髪型に、あたしはイラッとした。

せっかくあたしがやってあげたのにどうしてとるんだっての。



「折原、あんた変わったねぇ」

「あぁ、梓のお陰でね。梓が助けてくれたから」



キラキラ王子様スマイル。なんだか朝とは本当に違っていた。

教室にいる周りの女の子たちは騒ぐし、男子もざわざわしてる。

まぁ、これだけ変わればそうなると思うけれど、もうひとつ理由はあると思うんだよね。
無駄にイケメンなところとか。



「今日はメロンパン食べてないじゃん」

「もう食べた! はやく自分の席に帰りなってば! ショート始まるんだから!」
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