あんたは俺の嫁!
知らないなら好都合。
あたしは安心の息をついた。



「イケメンってことは男ってことだよな?」

「え、まぁ、うん。超かっこいいよー」

「ふーん。俺よりもかっこいいわけ?」

「それは、次元が違うからちょっと……」



二次元と三次元だもの。
そりゃ全然違うよ。

あっちは漫画、こっちは現実。
比べるとかそういう問題じゃないと思う。



「次元が違うくらいかっこいいんだ?」

「は? 違うってば!」

「だってそういうことだろ」



なぜか怒っている響。
よくわからないけど、原因があたしなのは確実。
だって今怒りだしたわけだし……。



「なんで怒ってんの? わけがわからないよ」

「別にいいよ。自覚なんてないんだろうし」

「自覚ってなに? 話さないとわかんないってば」



溜息をついて、あたしを置いてきぼりにしたまんまどこかに行ってしまう響。
こっちが溜息をつきたいのに……。
< 13 / 15 >

この作品をシェア

pagetop