あんたは俺の嫁!
なんだ、あいつ……。
イケメンの友達持ってるんじゃないか……。

教室の入口でしゃべるのも邪魔になってしまうので、とりあえずホールでしゃべることにした。
1時間目が始まる前に帰れたのに、またサボるはめになりそうだ。



「で?」

「で? って……。俺は梓ちゃんに理由をききに来たんだよ」

「まぁ、理由はあたしっていうのはわかるんだけど……。その理由がわからないんだよね」

「自分が原因だってのは自覚済みってわけだ?」

「っていうか、大体、今日会ったばっかりなのに、どうしてこんなに怒ったりするのかわからないんだけど」

「はは、まぁ、わからなくもないけどね」



にっこりと笑って、そうあたしの言葉に頷いてくれる千尋。
だけどその言葉の後には、こんな言葉が続いた。


「でもそれは梓ちゃんだけの考え。もしかしたら響は違うかもしれないよ?」

「は? どういうこと?」

「もしかしたら、響は今日会ったのが初めてじゃないかもしれないよ?」
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