あんたは俺の嫁!
三人ともあたしを睨んでいてヒロインが助けるなんていう図じゃない。



「なんだよあんた」

「人間よ!」



ちょ、ちょっと古かったかな……。
さらに怒っちゃったみたいだし。

いじめっ子三人衆は、標的をあたしに変えたらしく、こっちにむかってくる。

やばい…………。



「これ以上近づいたら叫ぶよ! 叫ぶんだからねっ!」

「叫んでみろよ。叫んだところでなんだってんだよ!」



……え?



「え? いいの? いいんですかぁ?」



ちょっとうざったい声で相手に確認をとってから、あたしは朝の道のど真ん中で叫んだ。



「きゃああああ! 変態っ! らめぇぇぇぇっ! そんなとこ触らないでぇぇぇぇぇっ!」



どやぁ……。

ガラガラと窓を開ける音がする。
ばたばたと足音もする。
見て見ぬふりしていた人もこっちを向いていた。
まさにいじめっ子とあたしは注目の的だ。



「ってめぇ……!」

「心なしか顔が真っ赤ですわよ、いじめっ子さん」



大きく叫びすぎたのか、結構な人が集まってきてしまった。
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