残りわずかなのに...
「やっぱり、いい匂いがする」
「え...は、離して!」
握られてる手を
思いっきり振り払う。
でも、ものすごい力で
握り締めてる...。
「離さないって言ったら?」
「え...」
首が髪の毛で隠れていたから
ゆっくり後にやった。
そして、亘理くんの吐息が
首に当たるのがわかった。
「え...ま、待って!」
「もう遅いぞ」
だんだん口が首に近づいてくるのが
わかった。
怖くなって、涙が流れ出した。
「い、いやだ...」
「は?」