残りわずかなのに...
涙を流しながら
懸命に訴えた。
「こ、怖いよ...」
「・・・」
声、震えてる...
お化けを見るよりも、
虫を見たときよりも...
「怖い...」
「・・・」
あたしの声を聞いた
亘理くんは
ゆっくり離れてくれた。
そして、最後に
こんなことを言った。
「...最初から、お前なんかに
興味はない」
「え...」
「鍵、開けたから」
そう言って、教室の窓から
飛び降り、姿を消した。