お化け屋敷の住人
「あ?んなこたねえし!ちょ、來ちゃんは黙ってて!」
「なんだと!!こんな奴に聞いて何が分かんだよ!」
「聞いてみなきゃ分かんねえだろ!だから今聞いてんだよ!」
「さっきからなんも答えてねえじゃねえか!」
「これから聞くんだよ!うるせえな!」
なんか、喧嘩が始まっちゃった。
お互いに胸ぐらつかみ合ってる。
おでことおでこが今にもくっつきそう。
「聞いたって意味ねえんだよ!今ので充分分かっただろ!」
「うるせえ!うるせえ!黙れ!」
「あぁん!!おまえがうるせえ!バカ!」
「バカじゃねえよ!クソヤロー!」
「あぁん!!」
「あぁん!!」
もうなんで喧嘩してるのか分からない。
ただの子どもの喧嘩になってる。
そーだ。
今の内に逃げちゃお。
そろーり。そろーり。
方向転換して教室の方に足を踏み出したその瞬間――。
「話まだ終わってないけど」
わたしは腕を掴まれた。
掴んだのは大翔だった。