お化け屋敷の住人
教室に入って自分の席についた。
相変わらずの存在感のないわたし。
“おはよう”なんて、誰も言ってはくれない。
もう慣れたからいいんだけど。
「篠宮さん」
突然、隣から声がした。
ビックリして顔を向けると、隣の席の男子がわたしを見ていた。
名前は確か…、三崎大和(ミサキヤマト)。
このクラスの委員長だかなんだかをやっている。
話し掛けられたのは勿論初めて。
「篠宮さん、さっきの3人組知り合い?」
「え?」
「廊下で話してた2年の男子」
話し掛けられた事にビックリして質問の返事に遅れると、三崎大和はわたしが何の事を言っているのか分かってないと思ったらしく一度目より詳しく説明して訊いてきた。
誰の事を言っているのかは分かる。
だってあの3人しかいないから。
大翔と豹と來輝しか。