お化け屋敷の住人


「見てた?」

「いや、ちょうど篠宮さんたちが話してるところを通り過ぎただけなんだけど」

「あぁ」


そりゃそうか。

わざわざわたしを見る人なんていないか。


「知り合いなの?」


三崎大和はどうやってもわたしとあの3人組が知り合いかどうかが気になるらしい。


「ううん。さっき初めて話し掛けられた」

「そうなの?何で?」


そんなのわたしが知りたい。

結局あの3人組がどうしてわたしに声をかけてきたのか、何が聞きたかったのかさっぱりわからないままだ。


「さあ」

「え?」

「わたしにも分からない。ところで三崎くんはあの3人組と知り合いなの?」


知り合いだからこそわたしとの関係が気になってるんだよね?


「“三崎”でいいよ」

「え?」

「呼び捨てでいい」

「あぁ。じゃあわたしも呼び捨てでいいから」

「そ?じゃあ……瑠夏!」

「………」

「………」

「………」

「……じょ、冗談だよ!」


あぁ。冗談か。

どういうリアクションとっていいか困っちゃった。



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