お化け屋敷の住人


まともな理由じゃん。

どこがまともじゃないって言うのさ!



「なんか文句あんのか?」

「……」

「黙るな。ちゃんと言え」

「わたしだって真面目に考えて出した結論だもん」

「わかってる」

「…わかってる?」

「あぁ、わかってる」

「じゃあなんでそんな風に言うの?」


わかってるなんて嘘だ。

わかってたらそんな言い方しないはずだよ。

あー、なんか悔しい。


「おまえがやりたい仕事があって、学校なんか行ってる暇ねえって言うなら俺だって納得した。けど違うだろ?おまえは将来やりたいことすら見つかってねえ」


やっぱり悔しい。

大人な言い方しちゃってさ。


「……」

「だから学校行け。進学しろ」

「……」

「だから黙るなって」

「…真のバーカ」

「あぁん?」


目頭が熱くなった。

ほら、泣き虫になっちゃう。

やっぱり強くなんてなれない。


進学なんて出来ないと思ってた。

しちゃいけないと思ってた。


真は優しくわたしの頭を撫でてくれた。


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