お化け屋敷の住人
三崎を見送ると今度は隣から怪訝な視線を感じた。
真がわたしを見ているんだ。
「もしかして三崎と知り合い?」
「……」
なんか話したかったからわたしのこと見てたんじゃないのかよ。
シカトしなくたっていいじゃん。
無言の睨み合いが続いていると、しばらくして担任が教室に現れた。
「三者面談始めるぞー!ほかの奴は教室から出なさーい!」
担任はたらたらと教室を出ていく生徒たちを確認しながら机をセッティングし始めた。
3つの机をくっつけて「どうぞ」とわたしたちを促す。
その頃には教室内はわたしと真と担任の3人だけになっていた。
担任はわたしの進路の話から始めた。
「進学に変えたのか?」
「はい」
「それは何故?」
「えーっと…」
ここは素直に真に進学にしろと言われたからだと言ってもいいものなのかな。
進路は自分の意志で決めるものだと怒られたりしないかな。
そんなことを思って口ごもっていると、思ってもみなかった方向から声が聞こえてきた。