お化け屋敷の住人


わたしは家を出てきた。

高校も辞めた。

家から遠く離れたおばあちゃんの家までやって来た。



わたしにしたら凄い行動力を発揮した。

それはもう前代未聞の行動力を発揮した。

それ程にわたしはあの家が嫌いだ。

もう二度とあんな家には帰らない。

アイツらがいる限り―――。



「…住む?」


おばあちゃんは未だポカーン顔のまま言った。


「ダメ?」

「…ダメじゃないよ」

「やった!」

「じゃあ、こっちに着いた事お父さんに電話しようかね」


おばあちゃんがどっこいしょと立ち上がる素振りを見せるから、わたしは慌てておばあちゃんの腕を掴んだ。


「あ、あ!」

「ん?」

「お父さん今電話出られないと思う!」



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