お化け屋敷の住人


だから勝手に開けた。

ススーっと襖を開ければ、そこには布団の上に寝転がってる真がいた。


でも向こう側を向いてる。

肘を立てて頭を支えて、片膝なんかも立てちゃってる。


「あのー…」

「何だよ」

「昼間の件、お詫びするんで中に入っても宜しいでしょうか?」


本当はそんな理由で来たんじゃないんだけど。

そうしとかないと入れてもらえないじゃん。


「黙って入れ」


え?

だってお詫びは?

いいの?


「さみぃから早く閉めろ」

「あ、はい」


あれ?



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