お化け屋敷の住人
真は溜め息を1度吐き、面倒くさそうに顔だけで振り向いてわたしを見た。
やっと見た。
やっと見てくれた。
だけど真はわたしを見てギョッとした。
「なんだよ、その顔」
「顔?」
顔が何?
何か付いてる?
真はマンガをパタンと閉じると、起き上がってわたしと向き合って座った。
「泣きそうな顔してる」
そう言って真はわたしの頭を撫でた。
何でこんな時に優しくするの?
せっかく堪えてるのに。
…嗚呼、“強くなる”って難しい。