blue tears love ~僕等の秘密~
「これ、もう治らないんだよね。右足は動かない、一生杖が足代わり」


別にこの答えはどうってことのない返事だ。もう、何回言ったことだろう。


でも、彼女には何となくこのことを知らせたくなかった。


「早く治るといいねなんて軽く言ってごめん」


二人の間に静かに風が流れた。


「じゃあ」


西宮からの連絡もないし、僕は帰ろうと校門へ向かった。


「あれ、瀬野?おー瀬野じゃん。久しぶり」


中庭で声がした。


振り向くとそこには隣の中学で陸上をしていた橋田がいた。
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