プラスのちマイナスのちプラス(仮)
「今日は何の教科?」
「英語」
放課後、予定通り私達は図書館にいる。
あまり利用者がいないから、話しても迷惑にならない。
何より、窓際の席は、暖かくて気持ちいい。
「じゃあ、とりあえず重要文法から」
そう言って佐藤奏はスラスラと文字を書いていく。
「このitは~だから…」
説明だって丁寧でわかりやすい。
「じゃあ、問題解いててわかんなくなったら言って」
「うん、わかった」
一通り説明してもらったら
私は早速問題に取り掛かる。
でも英語は苦手だからすぐにつまづく。
「ねぇ、ここなんだけど」
「あぁ、これは…」
私が質問をすれば佐藤奏はまた丁寧に教えてくれる。
何度も。
「…ってなるんだけど、わかった?」
「わかった、ありがと」
「うん」
「ところで」
「なに?」
「佐藤くんは、勉強しないの?」