プラスのちマイナスのちプラス(仮)
「…………凛ちゃん、俺、やばいわ」
佐藤奏が呟く。
「なんか…クラクラするし……熱も上がってきた気がする。」
「え、えぇ!?大丈夫なの?」
そうだ、熱があるんだった。
こんなとこで話してる場合じゃなかったんだ!
私がそう考えていると
隣でクスクスと笑いながら
「なんでかわかる?」
なんて、佐藤奏が呑気に話す。
「風邪でしょ!早く帰らなきゃ!」
そんな佐藤奏をまくし立てる。
するとまたクスクスと笑う。
「…違うよ、凛ちゃんのせい」
そう言って私を抱きしめると
「待ってるね」
耳元でそう囁いたあと、佐藤奏は帰っていった。