プラスのちマイナスのちプラス(仮)
「はい」
そう言って差し出されたのはオレンジジュース。
佐藤奏の手にはカフェオレ。
「凛ちゃんがカフェオレ好きって知ってから、なんとなくカフェオレ飲んでたら好きになっちゃった」
笑いながらそう言う佐藤奏に、思わず私も笑う。
「私も、好きになったの、オレンジジュース」
そう言うと嬉しそうに笑うから
「…佐藤くんのことも」
いつの間にか言葉を続けてしまった。
すると一気に真剣な表情になる。
「それ…、聞き間違いじゃないよね?」
あまりに真剣に見つめてくるので恥ずかしくなって視線を落とす。
すると手の中のオレンジジュースが目に入り、恥ずかしさが消えて行く。
「…好き」
目を見つめて言う。
「佐藤くんが、好きだよ」