気まぐれ探偵はお嫌いですか?
「ブロッケンの妖怪?」


「ときわ、君は推理小説を書いているのにそんな事もわからないのかい?」


「……。」


凱に馬鹿にされたようで、悔しく黙っていると凱は口を開いた。


「『ブロッケンの妖怪』と言うのは、山の上でたまに見られる光化学的現象さ。山の頂上で、太陽を背にして立つ人の影が前方に映ったとき、その影が大きな妖怪に見える現象だよ。」


凱は言い終わると、私が持ってきた板チョコを割り、一つの欠片を口に入れた。


なんとなくだが凱の言葉には、説得力があった。


「じゃあ凱、ピーターパンは?」


「ピーターパンは、いるさ!絶対にいる!」


「なんでそう思うんですか?」
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