スターフィッシュ‼︎
「まーそんなんは置いておいて」


向かい合わせで、コーヒーを飲んでいると、

急に王子はあたしの髪の毛に触れた。


「お前、髪質よさそうだな」


さらっとあたしのセミロングの黒髪を手でとかす。


ドキっと、心臓が大きく鳴る。


「……う、うん。今まで染めたこともパーマかけたこともないよ」


「お前、もうちょっと顔、こっちに近づけろよ」


「は、はい~」


テーブル越しに王子に顔を近づける。


だめだ。

王子の顔が近い。見れない……。


ワックスを手につけた王子があたしの髪に触れる。

もう、目をつぶるしかなかった。
< 102 / 434 >

この作品をシェア

pagetop