スターフィッシュ‼︎
「すごーい、意外と値段もピンキリだねー」
赤、青、黄色、木目、白、と色とりどりのギターが壁一面に飾られている。
安いのは2万円台、高いのは数十万まで。
「初心者でも使いやすくて、ライブでもいけるのは~これとかこれとかかな」
そう言って、王子は赤いギターと、黒いギターを指差した。
うーん、格好いいんだけど、あたしの体にはちょっと大きそうだ。重そう。。
「あ、王子、あれは?」
まわりのギターよりちょい小さめの、黄色のボディにオレンジのラインが入っているギター。
いかつくないし、他のギターより華奢で可愛い~!
値段も8万円台と、お年玉を下ろせば買えそうだ。
「おお、ムスタングか。くせはあるけど軽いし弦も押えやすいし、お前にはいーかもな」
早速お年玉をおろしてきて、現金でどーんと買った。
「とりあえず、ROOKIEはコード簡単だし、それから練習な。後はゆーたに教えてもらえよ」
「はーい!」
ちなみに王子のベースは15万くらいするんだって。
た、高っ!!
『これに傷が入ってたら、後でぶっ殺しに行くからな!!』
初対面で王子にそう言われたが、あの時はまだ親への借金を払い終えていなかったらしい。
傷がついたら怒るのもそりゃー当然だ。