スターフィッシュ‼︎


「あら~、いらっしゃーい。狭いとこでごめんねー」


買い物袋を床に置きながら、あたしに笑顔でそう言った。


わわー、綺麗なお母さんだなー。

茶髪で見た目も話し方も若い感じだ。



「おめー帰ってくるのはえーよ」

「こ、こんにちは、おじゃましてます」



親に対しても相変わらず口悪いゆーたに対して、

あたしは慌てて丁寧に挨拶する。



「何何ー? ゆーたにギター習ってるの?」


「は、はいっ」



そっか、もう7時半か。

お腹もすいたしそろそろ帰ろうかな、と思ったが。


「良かったら夜ご飯食べていきなよ~。ゆーたが女連れ込んだの久々だしー」


「あーもーうるせーよ! 腹減ったしちゃっちゃと飯ー」


というわけで、なぜかゆーたの家の食卓で、あたしも夕飯をご馳走になっていた。
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