スターフィッシュ‼︎
あたしもどうやったら確実に勝てるかを考えていたけど、
良く分からなくなってきた。
でも、こうやりたい、っていう結論は出ている。
「要は、たくさんお客さん呼んで、最高のライブをすれば良いってことでしょ? やったろーじゃん!」
あたしは、ガタン、と椅子から立ち上がり、右手の拳を高く掲げた。
ざわついている店内に、あたしの大声が響き渡る。
雑談をしている他のお客さんも、ちらっとあたしたちの方を見ていた。
「……おい、チビデブ」
鋭い目線のまま、王子があたしを見上げる。
ヒィィィ!! いちおうあたしも真剣ですよー?
「当たり前だ。やるぞ!」
ガタン、と王子も立ち上がってあたしと同じように右手で拳を作った。
おおお! 王子ーー!
「おっ、気合い入ってんじゃん。ぶっこんでいくべ!」
「もちろんですっ! 本戦出る……、いや、優勝しましょう!」
目がキレッキレのゆーたと、珍しく汗をかいていない良夫さんも、同じポーズになった。