スターフィッシュ‼︎
「おおお、タンジェント60(シックスティ)さんですね! 俺対バンさんから噂聞いたことありますよ。カッコイイらしいですね!」
王子がキラキラと王子モードで対応していた。
「いやぁ、STARFISHさんこそ結構評判聞きますよ! 予選でも断トツだったらしいですし」
「いえいえ、まだまだですよ~。お互い頑張りましょう!」
タンジェント60さんは浦和や越谷などで活動をしているバンドらしい。
有名バンドの前座もやったことがあるなど、埼玉南部エリアの期待のホープという噂だ。
すごいバンドさんなんだろうけど、親近感があっていい人そうだ。
「みなさんおはようございまーす。これから今日のルールの説明をしまーす」
楽屋にスタッフさんらしき男の人が入ってきた。
「1バンド、持ち時間は15分。時間厳守でお願いしまーす。
それで、演奏後に簡単なインタビューをしますので、楽器を片づけたらすぐフロアに戻ってきてくださーい。その間に次のバンドはセッティングをしてくださーい」
そのスタッフさんはやたら語尾を伸ばしながら、あたしたちに説明をした。