スターフィッシュ‼︎

「うーん。何か棒立ちだね、緊張してるのかな」


「そりゃ本戦かかってるしなー。ま、俺はマジ楽しみだけど」


おおお、ゆーたの目がギラギラしている。


「さすがゆーただよね。あたしは緊張してやばいよー」


「……もうすぐ高3だしな。今が一番ガンガンやれる時期だべ?」


ゆーたはそう言いながら、缶のコーラをすすった。

ゆーたの髪色は濃い目の茶髪に落ち着いたようで、今日はキャップではなく、少し伸びた髪の毛をワックスでセットしていた。


「ゆーたは高校卒業したらどうすんの?」


「んー? どーすっかな。決めたらちゃんと教えるわ」


高めの椅子とテーブル。

チビなあたしは座ると全然足がつかない。


「ばーか、もちろんバンドは続けっから。そんな顔すんでねーよ」

「あいたーっ」


ぱちり、とおでこを叩かれる。


今日のあたしは前髪をポンパドールにしているため、おでこは無防備だ。

しかも、叩かれた勢いで椅子からずり落ちた。
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