スターフィッシュ‼︎
受け止めること
「あのな~。とりあえず、進学か就職、どっちかには○をつけてくれないか?」
あたしと王子は進路指導担当の先生に呼び出しをくらっていた。
先生の手には、2枚の進路希望調査の紙があり、
1枚目には進路希望『バンド!』、2枚目には『バンドで売れる』と書かれていた。
「えーと、バンドって就職と進学、どっちになるのかなぁ?」
と首をひねっているあたしに対して、王子は、
「あ、すみません。進学希望者と就職希望者を集計するために必要なんですよね? 先生はどっちに○をつけて欲しいですか?」
と先生に必殺☆王子スマイルを放っていた。
う……、と先生はそのスマイルの眩しさと、王子の若干イヤミな発言に言葉が詰まっていた。
とりあえず卒業してもバイトはしばらく続けることになりそうなので、
就職希望に○をつけて再提出した。
職員室を出た頃、授業始まりのチャイムが鳴る。
「あーあ。ちょっとサボるかな」
「待って~あたしも」
王子と一緒に屋上に向かった。